ニュースや教材の聞き取りはそれなりにできるのに、ネイティブの英語は全く聞き取れない。
ネイティブの英語についていけなくて、自分の英語力に自信を失ってしまった。

そんな悩みを抱えている方は少なくありません。

筆者も、長年の海外生活を経て、今ではネイティブの英語を問題なく聞き取ることができますが、英語を勉強し始めた頃は、ネイティブの英語が全く聞き取れませんでした。
それから、色々な教材や勉強法を試して、今に至ります。

どうしてネイティブの英語が聞き取れないのだろう。
どうすればネイティブの英語を聞き取れるようになるのだろう。

今日は、そんなお悩みに答えるコツやおすすめの教材を紹介します。

ネイティブの英語が聞き取れない!理由は?

ネイティブの英語を聞き取れないのには、いくつかの理由があります。

(1)速すぎる

ネイティブの英語を聞き取れない人の多くは、速すぎてついていけない、と感じていることでしょう。

当然ながら、ネイティブは、英語の教材とは違い、わざとゆっくり話してはくれません。
ネイティブにとっては普通のスピードでも、日本人にとってネイティブの英語はとても速く感じます。

また、単にスピードが速いだけではなく、速く話すことで、英語の発音も少し変わります。
簡単な例で言うと、”Are you going to (アーユーゴーイングトゥー)〜”というフレーズは、ネイティブが話すと”Are you gonna (アーユーガナ)〜”というように聞こえます。

ネイティブの英語に耳が慣れていないと、こうした発音の違いやスピードの速さについていけません。

(2)頭の中で日本語に訳してしまう

これは、(1)とも関連していますが、ネイティブの英語を速すぎると感じる人の多くは、頭の中で無意識のうちに、聞いた英語を日本語に訳する、というステップを踏んでいます。

例えば、”a little black cat”という言葉を聞いた時、無意識のうちに頭の中で「小さい」「黒い」「猫」と日本語に置き換えてはいないでしょうか。

ただでさえ速いネイティブの英語なのに、一旦それを頭の中で日本語訳にしようとすると、余計に時間がかかってしいます。
日本語訳にしているその間にも、相手は次へ次へと話を続けてしまい、あっという間に会話についていけなくなる。
そんな負のスパイラルに陥ってしまうのです。

(3)単語やフレーズがわからない

ネイティブの英語を聞き取れない理由として、ネイティブが使っている単語やフレーズが難しくてわからないということもよくあります。

たくさん勉強したはずなのに、どうして難しい単語やフレーズばかりなのだろう!
そう悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

それもそのはず。
ネイティブの英語、とりわけネイティブが会話に使う英語に出てくる単語やフレーズには、日本人が普段使う英語の教材には載っていないものが数多くあります。
また、ネイティブと言っても出身国や地域は様々です。日本語と同じように、英語にもその地方ならではの「なまり」や「方言」があります。

そのひとつひとつを正しく理解することは、英語を母国語としない日本人にとって、当然ながら、とても難しいことなのです。

英語でネイティブの会話を聞き取りするコツ4つ

次は、ネイティブの英語を聞き取るコツをいくつか紹介します。

(1)とにかく耳を慣らす

ネイティブの英語の速さについていくには、とにかくネイティブの英語に耳を慣らすことが大切です。
そのためには、ネイティブの英語を沢山聞くことが効果的です。
英語の教材はもちろんのこと、好きな映画や音楽、海外ドラマなど、何でも構いません。
とにかく、繰り返し繰り返し聞いて、ネイティブの英語に耳を慣らしてみてください。

ここでポイントとなるのが、「無理に意味を理解しようとしない」ということ。
何となく、ネイティブの英語の速さってこれぐらいなんだな、こんな話をしているのかな、というように、感覚的に聞いてもらえればOKです。

よく、聞き流すだけでは語学をマスターすることはできない、と言われています。
確かに、何も考えず聞き流しただけで語学を習得するのは、よほど特殊な教材を使わないと難しいでしょう。
ただ、「ネイティブの英語に耳を慣らす」という意味では、聞き流しは非常に効果的です。

内容がわからなくても良いので、BGMのような感覚で、英語を沢山聞いてみてください。
自分でも無意識のうちに、ネイティブの英語に耳が慣れてきます。

(2)日本語に訳さない

先ほど、「日本語に訳そうとすると、時間がかかってネイティブの英語についていけない」という話をしました。

では、どうすれば会話についていけるようになるか。
それはズバリ、「日本語に訳さない」ことです。

例えば、先ほどの”a little black cat”という言葉を聞いた時。

頭のなかで「小さな黒い猫」という日本語に訳してから、黒い子猫をイメージするのではなく、”a little black cat”という言葉から、直接、黒い子猫をイメージするのです。
すると、頭の中で日本語に訳そうとしていた時間が短縮され、それだけ早く英語を聞き取ることができます。
この積み重ねによって、ネイティブの英語のスピードについていけるようになるのです。

そんなこと言われたって、日本語に訳さないでどうすれば英語を理解できるの?

そう思われる方も多いでしょう。

確かに、「日本語に訳さない」というのは、そう簡単にはいきません。

まずは、ネイティブの英語を聞く際、「日本語に訳さずに聞いてみよう」と意識してみるところから始めてください。
はじめはうまくできなくても構いません。
日頃からそう意識してネイティブの英語を聞くことで、少しずつ、日本語に訳さず、英語から直接イメージするということができるようになります。

(3)聞き取れた単語やフレーズを書き留める

ネイティブの英語には、日本人の私たちにはわからない単語やフレーズが沢山出てきます。
はじめからそれを全て理解しようとするのは、無理があります。
わからない単語やフレーズばかり意識していると、「全然理解できない…」と、自分の英語力に自信を失い、ネイティブと会話をすることが怖くなってしまうこともあります。

そうならずに、ネイティブの英語を聞き取るようになるには、「わからない単語やフレーズ」ではなく「聞き取れた単語やフレーズ」を意識することが重要です。

そこでオススメなのが、「聞き取れた単語やフレーズを書き留める」ということ。

きちんとしたセンテンスにする必要はありません。
また、書き留めた単語やフレーズを日本語に訳する必要もありません。

とにかく聞き取れたものをメモに書き留めてみてください。

はじめは、何も書けないかもしれません。
でも、同じ会話を繰り返し繰り返し聞いてメモをすることで、ひとつ、またひとつ、とメモできる単語やフレーズが増えてくるはずです。

こうしたエクササイズを繰り返すことによって、無意識のうちに、ネイティブの英語を聞き取る訓練になります。

また、メモに書き留める言葉やフレーズの数は、貴方の勉強の成果でもあります。
目に見えた成果があると、モチベーションにもなって、勉強への意欲が高まることでしょう。

英語の聞き取りを上達させるおすすめ教材

英語の聞き取りを上達させるために、無理をして高い教材を買う必要はありません。
無料で使えるインターネットのサイトやアプリでも、質の高い教材はたくさんあります。
ここでは、そんなおすすめの教材をいくつか紹介します。

(1)Voicetube

Voicetubeは言わずと知れた有名な英語学習サイトです。
Voicetubeには、ネイティブの英語を聞き取る練習にもってこいの動画が多数掲載されています。
また、動画をリピート再生したり、出てくる単語を検索したりできる機能も付いているので、自分に合った方法で聞き取りの練習をすることができます。
無料とは思えない動画数とクオリティーが好評のサイトで、スマートフォン用のアプリもあります。

(2)TED

Voicetubeに並んで有名なのが、TEDという英語動画サイトです。
TEDは色んなジャンルのエキスパートが行ったプレゼンテーションの動画を集めたサイトです。全てではありませんが、日本語の字幕がついた動画もあります。
TEDの良いところは、プレゼンテーションということもあって、スピーカーがはっきりと解りやすい英語を話しているところです。
また、色々なジャンルの興味深い話を聞くことができるので、飽きずに英語の聞き取り練習をすることができます。

(3)BBC News

最後に、英語の学習向けの教材ではありませんが、ぜひお勧めしたいのが、イギリスのニュースチャンネル「BBC」の動画サイトです。
ニュースサイトなので、使われている英語の難易度は比較的高めではあります。
しかし、時事ネタ、カルチャー、スポーツなど、様々なジャンルのニュースが繰り返し紹介されるので、情報収集を兼ねて、毎日の聞き取り練習に使うにはとても良い教材になるでしょう。
他の大手ニュースメディアと比べると、アナウンサーのしゃべるスピードが比較的ゆっくりなところも、オススメの理由です。

まとめ

残念ながら、ネイティブの英語を聞き取れるようになるまでには、近道はありません。

しかし、こつこつと続けていれば、必ずネイティブの英語を聞き取れるようになります。
そして、ネイティブの英語を聞き取れるようになれば、英語を使ったコミュニケーションはどんどん楽しくなるでしょう。

皆さんも、自分に合う勉強法を続けて、ネイティブとの会話を楽しんでください。